My Favorite Things


小学校5年の時、愛読書の「子供の科学」に鉱石ラジオの製作記事が載っていた。 今も住んでいる田舎の駅前のラジオ屋で部品を買い、初めて使う半田ゴテでやけどしながら製作記に忠実に慎重に製作した。 遠く離れた東京の放送局から放送が微かに聞こえてきた。  そして、私は無線少年になってしまった。

中学の時、参考書を買いに行った横浜の書店の洋書売り場には、米国のCQという雑誌が売られていた。 開くと独特な米国の匂いがし た。 トリオの9R59/TX88が高嶺の花の時代、凄い無線機の広告や、新式の回路の説明などが詳しく載っていた。 船便で2ヶ月遅れで来る雑誌の記事は眩しかった。 真空管ハンドブック、オーム社の受信機の設計の本を座右に、何台もの高一中二受信機を設計し、製作した。 丸いバーニアダイアルを、むき出しのシャシにネジ止めした薄いアルミ板にくっつけて作った受信機に夢中だった。

それから40年、昔の夢の無線機達がオークションで簡単に安価に手に入るようになった。 貧しかった昔、雲の上の存在だった往年の名機が今手元にある。 機能優先、クールな最近の無線機にはない魅力が伝われば幸いだ。 

短信
3年半ほど更新を怠っていました。

新しいおもちゃに夢中になっていたのですが、飽きてきたときに、某所からDrake SPR-4の後期型の修理を依頼されました。

久しぶりに無線機いじりに没頭しました。 イヤァ、無線機も面白いですねぇ。 SPR-4の項に修理記を掲載しました 20JAN08


[写真が青い枠で囲ってある機器はクリックすると詳細な説明が出ます]

Eddystone EC-10 (1960)
英国の有名な通信機メーカの最終期の作品。 高一中二の840Cという、有名な受信機をトランジスタ化した意欲作で、横行ダイアルから糸掛けと思われるが、実は、ハマーランドSP600と同様に初段をフリクション、後段をダブルギアとした凝った100:1のダイアルメカを持つ。 ダイアルタッチは素晴らしい。
この機種を紹介したHPでは、感度が悪いとの記述が多く見られるが、この機体は充分な感度がある。 詳細は写真をクリックして、説明をお楽しみ下さい。
トランジスタ式の高一中二タイプとしては秀逸である。

Hallicrafters S38(1946)

説明の要もない有名な受信機。 5球スーパにBFOを付け、短波用にコイルを切り替えるようにしたシンプルな受信機で性能は当時でもプアであるが、秀逸なRaymondLoewyのデザインで、無線機にデザインを持ち込んだエポックメーキングな名機である
当時、業界に与えたインパクトは相当なものらしく、回路も外観もそっくりなコピーが三田無線研究所(DELICA)から、外観をまねた9R4xシリーズが春日無線(その後のトリオ、現在のケンウッド)から発売され人気を博した。

Hammarlund SP600-JX 07SEP03

多くは灰色にペイントされているが、 本機はフロントパネルがアルミヘアラインだ。 軍用はペイントの規格が決まっていると思うので、民生用かも知れない。 

セラミックシャフトの8連バリコンと、素晴らしいダイアルタッチは有名である。
超重量級で、これと、コリンズのR390は、ボートアンカー(重いので船の碇に使える)の代表だ。
すばらしいダイアルメカニズムの様子、悪戦苦闘のレストア状況(進行中)を紹介する。

レトロな猫足の机は、ホームセンターで売っていた米国の組み立て式キットだ。  たまには木工もおもしろい。

無線機はケース無しだったので、木でケースを作った。 板厚17mmのパイン集成材に、台と同じようにダークオークで着色し透明ウレタン塗装を厚く重ねて深い艶を出した。 板が薄すぎたので、一寸貧弱。  JR1UIA さんが作った25mm厚の板で作ったケースは凄く格好良い。 私も、作り直したいナァ

無線機を居間に置くことに非常な抵抗を示していた我が家の管理者も、この仕上がりは気に入ったらしく、これなら良いと合格をもらった。 

Magnetic Loop Antena 

Drake Virtual Museum に、SPR-4用のマグネチックループアンテナの図が出ていた。
このアイデアを利用して、長波から短波の広帯域アンテナが出来ないかと考えた。
このままでは、インピーダンスが高すぎるし、感度も低い。
JH3FJAさんが、QST誌に載っていたヘッドアンプの記事を送ってくれた。 それを参考に簡易なプリアンプを作ってみた。

レトロな雰囲気が良いでしょ? 長波から短波のフルカバーのアンテナとしては、非常にコンパクトで、市販の高価なアンテナに対抗できることを実証中。 

アクティブアンテナなので、アンプの性能が問題。 
結果としては、素晴らしい中波用アンテナが出来たが、短波については一寸問題があることが判明した。 その顛末は、左の写真をクリックして下さい。


  

Hallicrafters S-20R
1939年に米国ハリクラフターズ社から発売された初期の高一中二ゼネカバ受信機。 既にこの形式の受信機としては完成の域に達している。
60年以上の歳月を越えて、現在快調に受信中。

お決まりの、Panadaptorが上に載っているが、これについては別項でご紹介したい。

Panadaptor はこちら 

上に載っているPanadaptorは、真空管式455kHzのスペアナ。 短波バンドの散策に強い味方だ。


Hallicrafters S-40A
この道に入るきっかけとなった受信機。 高一中二でメタル管を使用。1949年製であるが1939年のS-20Rから後述のSX-110まで、回路も部品は位置も殆ど変更はない。技術的には1939年に確立されたようで、その後は、デザインを主としたマイナーチェンジが行われた。
S-38と同様、Lucky StrikeのパッケージやShell石油のマークで有名なRaymondLoewyのデザインといわれ、シンプルでスマート。 現在見ても古さを感じさせないグッドデザインである。


Hallicrafters S22R Skyrider Marine
4 bands 0.11-18.5MHz, IF 1600kHz, 8球の高一中二。 船舶用なのでトランスレスで軽量 1940年製
中心のメータのように見えるのは、バンドスプレッドダイアル。 その下のバルブのツマミのような特異なダイアルで1/50のダブルギアがバリコンを駆動する。 この頃の船舶用の受信機は、真っ黒に塗られているが、左右の飾りバンドがオシャレかな? オリジナルの回路は残したまま、中身はトランジスタで作り替えようかと画策中。 文化財の破壊と非難されそうな話である。現在、IF回路をFETとICで、トランジスタ用IFT16個から20個を使用した集中フィルタで開発中。 Spiceとトラッキングジェネレータでの実験が煮詰まってきたので、その内報告する


Hallicrafters SX-110 1959-62
ハリクラとしては、最終期の高一中二受信機。 この後はダブルスーパーの時代となる。 回路はS-40と殆ど変わらない。
1959年の作品でクリスタルフィルタを供え、部品も良い物が使われている。 
ポストモダンと言うのか、非常に洗練され、美しい。 ハリクラ社の黄金時代の輝きを放っている。
メインとスプレッドの配置を逆にしたコピーが三和 NR-409として発売されていた。


Hammarlund HQ-100A
MT管高一中二受信機 540kHz〜30MHzのゼネカバ受信機である。 1961年頃の製品で、ハマーランド社としては最も安価な通信型受信機であるが、同社の高級受信機と同様の重厚なアルミダイキャストのフロントパネルは素晴らしい。 感度も、選択度も、放送受信用としては現役で使用可能である。 バリコンなど、素晴らしい部品が使われている。 入門用としては、非常に高価で、貧乏な無線少年であった私には高嶺の花であった。
下のSP−600のイメージを残してアマチュアが買える値段で作ったというか、デザインのコダワリが感じられる。  非常にキュートな製品だと思う。

National HRO-500 (1964〜1977)
巨大なダイヤルが特徴。 National社の有名な500目盛りのPWダイヤル最後の受信機。 オールソリッドステートで5kHz〜30MHzのフルカバーでAM・CW・SSB。 500ダイヤルは二重になっていて外側が1回転50KHzで、中のツマミは更にボールドライブで減速されている。 スムーズで充分な減速比を持っているがボールドライブ特有のネットリしたタッチである。 内部の配線はプリント基板を使用せず手配線である。 これも未通電なので、今後紹介予定である。


National NC-57
1947〜51製造の高一中二受信機。 ナショナルと言っても松下と関係はない。 有名な米国のメーカである。
チーフエンジニアのJames Millenが退社した後の作品だが、メカニカル的には非常に凝っている。 詳しくは左の写真をクリックして欲しい。 大きさは上に置いてあるHQ-100と同じ位であるが、単独では小さく見える。美しいストリームラインの効果であろう。インテリアとして違和感がない、 選択度を改善する改造をこっそり施したので、現代でも快適に使える。 柔らかい懐かしい音がする。 居間に置くことを唯一許された受信機で、コンパクトで柔らかいデザインがレトロなインテリアにマッチする。 非常に心の和む受信機である。


Collins 75S-3B (1964〜1976年)
泣く子も黙る有名な受信機 説明は不用であろう。 
ハム用真空管受信機としては、最高峰。
メンテも完璧で最新のデジタル式受信機では得られないスムーズなダイアルタッチは独特。 
金に糸目を付けすぎた最近の日本の工業製品とは一線を画している。 ラジオのポルシェだ。 その代わり、当時の無線少年には天文学的なと思える値段で、その姿を拝むだけでチビッたものだ。 
現在でも消耗部品も入手容易で性能的にも現役として使用可能である。S-Lineは、KWM-2/Aと32S-1も持っているが、受信機ではないので、取り敢えず割愛する。


Collins 51-S1
「羊の皮を被ったオオカミ」
上の75Sとよく似ているが、全くの別物。 軍用や、研究用として作られた最高級の受信機。 75Sでチビったら、この機会では腰が抜ける。 これについて述べると、HPが一個出来てしまう。勝手にリンクした下記HPは一見の価値がある。
http://www.noobowsystems.com/restorations/51s-1/51s-1.html
l本機への愛情が伝わって来る。

何しろ下の巨大受信機、R390Aと同じ機能を更に洗練して半分以下のサイズに押し込んでいる。 たまげた、てーしたもんだぁ。

Collins R-390A
上記51S-1の前身の1kHz周波数直読のモンスターマシン。
左の大きなダイヤルを廻すと、Mhzの単位で、右のダイヤルを廻すとkHzの単位でメカニカルカウンタが動く。 パネルの裏には複雑怪奇なギアメカニズムがあり、膨大な数のコイルのコアが、2つのダイアルの回転に伴い複雑に上がったり下がったり
「カラクリ」の世界である。 機械好きにはたまらない
. 重量は30Kgを越え、、大きすぎて一人では持ち上がらない。米国ではBoat Anchor(船の錨)と呼ばれている。
シャシなどはアルミだが、どうしたらこんなに重くなるんだろう。 

メンテするにも腰を痛めそうなので、残念だが手放した。 眼福でした


Collins R-648
上記R380Aの航空機用である。 同様のメカニズムを持ちながら簡略化し軽量。 片手で持ち上げられる。 外箱はジュラルミンなのか、持つと羽根のように軽い C130、P3C、P2V等の航空機搭載、
電源は27.5VのDCで、内部にダイナモを搭載して高圧を作っている。
中間周波数は500kHzでAMとCWのメカフィルを搭載している。
SSBには対応していない。 1500台製造されたらしい。 一見、非常に状態が良いが....レストアには苦労した。


AN/GRR-5(通称 アングリー5)
コリンズR390Aを凌ぐと言われる短波受信機
高2中2の構成であるが、確かに凄い受信機である。 
シンプルな回路と、吟味された部品  AM用としては素晴らしい。  変換ノイズが少なく静かである。 周波数安定性も非常に良い。 ジープや戦車に積んで野戦で使用するために作られていてシンプル堅牢。 異形の巨大な円形ダイアルが印象的である。
本体は非常に軽いのだが、しっかりした電源は乾電池からバッテリー、AC電源と広く使えるようになっているため重い
椅子として使用するのも一興。
設計が、Zenith というのも趣がある。

水に浮くとの話もあるが、真相は? (左の写真をクリック)

16DEC02 可愛がって頂ける方に嫁に行きました。

Drake SPR-4 1969〜1978
増幅段に特性の優れたDual Gate MOS FETを使用したソリッドステートのダブルスーパー。 設計は独自のアイデアによる画期的な方式であり、実質はトリプルスーパとなるところを第一局発を、水晶発振と可変発信器を合成して安定した可変周波数信号を作るという、コペルニクス的発想で第一IFは周波数固定となっている。 高周波増幅、ミキサの次にクリスタルフィルタというシンプルな構成。  混雑したアマチュアバンドでは選択度がもう少し欲しい。

某所からオーディオトラブルのSPR-4の後期型を預かりました

 トラブルシューティングを掲載しました (21JAN08)  

DRAKE R4-A
Drakeの嚆矢と言える真空管式短波受信機 非常にコンパクトな筐体の中に、当時考えられる限りの機能を凝縮したスーパーマシン。 この後、R4-B、R4-Cと新型が投入され、トランジスタ化されていく。 真空管式としては冗談のように小さなシャシに凄い回路が押し込んである。 参りました。 コリンズと較べると造りはチープだが、別の意味のコダワリがあり嵌る そろそろメンテしないといけない。


ゲルマラジヲ with 巨大スパイダーコイル

久しぶりに鉱石ラジオを作ってみた。 ラジヲ少年育成計画である。 当初秋葉原で売っていたイスラエル製のキットを組み立てさせたが、全く受信できない。 育成計画は失敗した。 第一印象が大切なのだが頓挫。
どうも、田舎なので、電波が弱いようだ。 そこで、巨大なスパイダーコイルを作ってみた。 枠は細い塩ビパイプに切れ目を入れて作った。 電線は園芸用の銅線(安い)を、20M巻いている。 感度はバッチリだが、今度は混信に悩まされるようになった。 
選択度はどの位なんだろう。 大きすぎて邪魔なので、廃棄した。 その後、2台のTR式ラジオキットを製作した。 大分半田付けが上手くなった。 1台は、ラジヲ少年育成計画に賛同した寺西さんからの寄付です。 ありがとうございました。 暫く、抱いて寝ていたようです Hi


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